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東海の最難関大学”名大”
東海地方にお住まいの方ならだれでも一度は聞いたことのある大学「名古屋大学」。
名古屋大学は理系分野においての研究成果やグローバリズムなどについて、
世界からも非常に高い評価を受けている、日本が誇れる大学の一つです。
毎年多くの高校生たちがこの大学の受験を試みます。
しかし、全国の大学と比べても、名古屋大学への合格はかなり難関な部類に入ります!
つまり、しっかりとした対策が必要になります。
ここでは、特に名古屋大学”理系”の受験生を対象にした対策情報をまとめました。
名古屋大学の受験対策1:高い完成度が求められるセンター試験
旧帝大だけあって、センター試験では、かなり高い完成度が求められます。
前期入試での求められるセンター試験得点率(河合塾基準)
情報学部:80〜82%
理学部:79%
工学部:78%(エネルギー理工)〜83%(機械・航空宇宙工)
農学部:79〜81%
医学部:73(看護)〜89%(医)
個別学力検査(2次試験)で受験が必要となる科目は確実に90%以上取れるようにしておくことが理想です。※医学部医学科はもちろんそれ以上です。
名古屋大学の特徴は、他の愛知県内の国公立大学と比較しても、センター試験レベルと個別学力検査(2次試験)のレベルの差が非常に大きいことです。
現役での合格を目指すのであれば、高2の終わりまたは高3の夏前までには、個別学力検査(2次試験)で受験する科目については、センター試験で、最低でも70%(医学部であれば80%)は取れるようにしておかないと、間に合いません!
名古屋大学の受験対策2:個別学力検査(2次試験)の対策:数学だけで2時間半、理系科目特化型
名古屋大学の理系の試験科目は、
英語・数学・理科2科目
です。
理学部のみ国語が課されます。
全科目において試験時間が非常~に長いです!
連続で長時間集中できるようにしましょう。
前期入試での求められる偏差値(河合塾基準)
情報学部:57.5~62.5
理学部:57.5
工学部:60〜62.5(機械・航空宇宙工)
農学部:57.5〜60
医学部:55(看護)〜67.5(医)
名古屋大学の受験対策:数学
4問で150分。全問記述式。
たった4問で膨大な時間を要する出題となっています。
名古屋大学の入試では数学は看板科目といえるでしょう。
非常に高い計算力・思考力・論証力が重視されます。
名古屋大学の入試では、全学科で数学の公式集が渡されることは有名ですね。
それほど思考力を要するということです。
<全体的な難易度 難>
毎年かなりレベルの高い問題が出題されます。
中には数学的センスを問われるような出題もあります。
数学が得意な受験生でも骨が折れる計算を要することがあります。
<対策>
対策としては、基本的な数学問題集の「青チャート」や「4STEP」などを完璧にした後、
赤本から出ている「名大の数学」を回答暗記のレベルになるまで何度も通すとよいでしょう。
毎年1問は超難問が出題されます。
この超難問をどこまでとけるかが合格の鍵となってきます。
この難問では非常に高い思考力・論証力が要求されます。
そのための対策として「やさしい理系数学」などのハイレベル問題集を通しておく必要があります。
不得意な項目を作らず、標準的な問題は必ず完答しましょう。
標準的な問題で点を取りこぼすと合格は難しいです。
名古屋大学の受験対策:理科
理科2科目で150分。計算・論述・描画と様々な形式で出題されます。
情報学部のみ理科1科目で75分となります。
<全体的な難易度 やや難>
数学のように軒並み難問といったことはなさそうです。
しかし、一部の問題で状況設定が複雑なものや計算力を要することがあります。
<対策>
基本的な問題はきっちりとした記述回答ができるようにしておきましょう。
さらに、計算においては式だけでなく定性的な現象の理解も必要です。
ーー物理ーー
「物理のエッセンス」「重要問題集」などの参考書をやりこみましょう。
標準問題はもとより発展問題にも着手し、全項目を体系的に理解していく必要があります。
エネルギー保存則を使った考察を要するものが頻繁に出題されています。
近似計算など、物理だけではあまり触れない数学的処理が必要な出題もあります!
ーー化学ーー
理論と有機が中心です。
理論分野では複雑な計算を要する問題が出題されています。
有機分野では基礎知識が問われる問題が半分と、残りは高分子化合物を含めた応用問題が多い印象です。
その他の分野においても標準的な問題は解けるようにすることが大切です。
教科書レベルの内容がほとんどであるため、幅広く確実な知識が要求されます。
「レベル別問題集3~4」「重要問題集」などで演習を積むとよいでしょう。
名古屋大学の受験対策:英語
大問4つで105分
基本的に長文読解を出題する傾向です。
<全体的な難易度 標準>
おおまかに、記述模試のような標準的な内容です。
長文読解においての語彙レベルは全体的に高いので語彙力は必要です。
記述模試の英文和訳・和文英訳をしっかりとこなせる力をつけ、
完璧な回答づくりを身につけましょう。
名古屋大学の学部構成と受験の倍率
どのような大学においても自分の受験する学部・学科の募集人数や倍率を知っておくことが重要です。
では名古屋大学の理系学部の構成と倍率を見てみましょう。
(参考:平成30年度出願状況)
_______________
情報学部
自然情報学科 3.8
人間・社会情報学科 3.7
コンピュータ科学科 3.1
工学部
化学生命工学科 2.4
物理工学科 2.2
マテリアル工学科 1.6
電気電子情報工学科 3.2
機械・航空宇宙工学科 3.3
エネルギー理工学科 2.8
環境土木・建築学科 2.6
農学部
生物環境科学科 2.4
資源生物科学科 2.7
応用生命科学科 2.8
理学部
学科分けなし 2.6
_______________
ほとんどの学科で2.5~3.0倍あたりのようですが、
情報学部全学科・電気電子情報工学科、機械・航空宇宙工学科は3倍以上となっています。
このあたりの学部を受ける可能性のある方は、より多くの優秀な受験生と闘わなければなりません。
逆に、
「学科はまだ決まっていないけど絶対名古屋大学に行きたい!!」
という受験生は倍率1.6倍のマテリアル工学科を狙うのが圧倒的にオススメです。
名古屋大学の学部・学科選択について
大学の学部・学科というのはまだ高校生の受験生には想像のしがたいものです。
ほとんどの人は学科の名前の雰囲気で「この学部いいかも」と思ったところのオープンキャンパスにいき、1~2個の学科だけを見て志望を決定するのではないでしょうか?
ほとんどの受験生がそのように学部・学科を決定しているので、大学に入学して一年ぐらいたつと、本当に多くの人が
「自分はこの学科にあまり興味がないな」
と思うことがあります。
大学ではこんなに受験勉強を頑張っている受験生でも想像にしていなかった非常に詳しい勉強をします。
現役の名古屋大学の学生に直接聞いてみるなど入念に下調べをして、志望学科を決定することをお勧めします。
しかし、「とにかくこの名古屋大学行きたい!」という気持ちが先行してしまうことも多くあります。そんな時は
“科目・倍率から見て最も自分が受かりやすい学科を狙う”
という戦略を立てることも本当に大切です。