この記事では、元予備校講師で、個別指導塾のエリアマネージャー、生徒数全国1位のときの武田塾名古屋校の教室長など、予備校・学習塾業界を幅広く経験してきた国公立大特化予備校のアイプラスのディレクターが、今年の受験生の様子から徹底予測していきます。
この記事を読まれている方の大半は大学入学共通テストを受験された方だと思います。
2021年は大学入学共通テストの初年度ということもあり、2020年度に浪人を決意した受験生は2019年度と比較して、20%も減少した年でした。
2022年の大学入学共通テストについてもこの傾向は変わらず、2021年と比較して再び5%ほど減少しました。
そして、2023年の大学入学共通テストについては、さらに7%減少しました。
つまり、浪人生の減少が止まらない!!といった状況です。
では、2024年度入試についてはどうなるのでしょうか?
今年の入試の動向から徹底予測していきます。
- 2023年浪人する受験生は増えるのか
- 今年浪人すると来年の受験に有利なのか
- 浪人するメリットとデメリット
- 浪人生に最適な予備校・塾の選び方
目次
2023年浪人する受験生は増えるのか
2021年の大学入学共通テストでは、2020年と比較して2割もの浪人生の受験が減っていました。
2020年に浪人生が大幅に減ったのは、昨年度の現役生が、新しい共通テストを避けてセンター試験を受ける傾向にあったためとみられています。
しかし、2021〜2023年もさらに浪人生が減少したということは共通テストへの変更だけの影響ではないことがわかります。
この傾向は変わることなく、2023年はさらに減少する可能性が高い考えています。
それは、大学入試の仕組みの問題ではなく、いくつかの状況が考えられます。
その理由一つひとつについて解説していきます。
さらに経済的に厳しくなっている家庭が増えている
コロナ禍の影響や物価高の影響から、経済的に厳しい家庭が増えてきており、引き続き合格した大学に進学するという安定志向が続いています。
改善の兆しもまだ見えていないため、今後の動向によっては変わってくるかも知れませんが、経済的な状況が改善するまでは時間がかかるため、その影響から浪人をしない受験生も増えると思われます。
受験勉強のための環境が悪くなっている
浪人生の大半は大手の予備校に通うことになりますが、今年の現役生は、高校1年生のときにコロナ禍の影響から授業がオンライン授業になり、対面での授業を受けることができない状況が続きました。
この影響は、明らかに基礎学力に影響を与えています。昨年度の現役生(つまり2022年度入試の受験生)と比較しても基礎学力の低さを指導をしていても感じました。
以上のことからも、たとえ経済的な問題はなくても、浪人することに不安を感じる受験生も多いはずです。
私立大学への進学者が増えている
2017年で私立大学に入学する学生は推薦、AOを合わせると過半数に達して、その後も年々増えています。
現役生がより高いレベルの学力を必要とする国公立大学ではなく、私立大学に決める傾向がさらに高まれば、浪人生減少はさらに加速します。
一般選抜の定員の減少よりも受験生の減少の方が大きい
2021年は大学入学共通テストの実施だけでなく、大学入試そのものが大きく変更となりました。
大学入試改革のため、国公立大学も含めた大半の大学で学校推薦や公募推薦といった特別選抜の定員が増やされました。
また数年間続いていた大学入学定員の減少は終わり増加に転じているため、現役合格がしやすくなってきています。
そのため、第一志望大学ではなくても合格した大学に進学をする選択をする受験生が増えているので、浪人をする受験生が減る可能性が高くなっています。
- 経済的に厳しくなっている家庭がさらに増えている
- 受験勉強のための環境が悪くなっている
- 受かった大学に進学する現役志願者が増えている
- 第一志望でなくても現役で合格した大学に進学する受験生が増えている
2022年に浪人したら来年の入試は有利になるのか
では、2023年は浪人生が減少するとしたら、来年の入試は有利になるのでしょうか。
高校3年間で、大学入試に向けて勉強をしてきた受験生にとっては、さらに1年かけて受験勉強ができることは確かに有利です。
しかし、それはこの1年しっかりと受験勉強ができる環境があってこそです。
予測できない今後を見据えて、環境に依存するのではなく、受験勉強についてしっかりと自己管理できるようにしておきましょう。
ただ、一般選抜の定員や方式については、年々変更がありますので、その点はしっかりと志望大学の2023年度入試の変更内容を確認してから判断するようにしましょう。
2023年浪人するメリットとデメリット
ここまでお話ししてきたように、2023年は浪人をしづらい環境ではありますが、マイナスな話ばかりではありません。
メリット
ここまで浪人しづらい状況ばかりをお伝えしてきましたが、2022年浪人をするメリットももちろんあります。
浪人生がさらに減少することを考えると、1年しっかりと受験勉強をやり抜く決意をして望めば、来年志望大学に合格する可能性は当然高まります。
大学の入学定員についても国公立・私立ともに増加に転じており、合格者数も増加傾向にあります。
つまり、浪人して厳しい環境を選んだ人が得するということです。
また、今年実際に受験した経験は必ず来年に活かせるでしょう。
今年の反省をいかした1年にできれば、志望大学合格を手に入れることが可能です。
デメリット
浪人生は減少することは間違いありません。
しかし、コロナ禍の影響で数年続いていた大学入試の地元志向は2023年度入試については、落ち着きを見せてきており、地方から都市圏の大学を受験する人も回復してきています。
また、難関大学の志願者数が増えているのも2023年度入試の特徴でした。
そのため、浪人生の割合は減ってはいるものの、来年の方が受験倍率が高いということも十分に考えられます。
ただし、その分しっかりと学力を上げていれば大きな問題ではありません。
受験勉強ができる環境で1年しっかり過ごせる保証はありませが、自分自身で管理する覚悟で1年を過ごすことができれば、難関大学合格はしやすい環境になっているのは間違いありません。
メリット
- 浪人生が減少するため戦いやすい
- 大学の入学定員も合格者も増加している
- 今年の反省を生かした受験勉強が可能
デメリット
- 難関大学の志願者数は増えている
- 来年の方が受験倍率が高い可能性もある
- 受験勉強を自己管理していく必要がある
2023年浪人する受験生のための予備校・塾の選び方
浪人したら大手予備校に通うという人が大半ですが、近年は大手の予備校ではなく塾に通う浪人生も多くなってきてます。
それは、今までと変わらず授業を受けて学習しても学力が上がらないと考える人が増えてきているからです。
生活リズムの整った浪人生活を送るためには大手予備校は最適かも知れませんが、規則正しい生活を送れるように対応している塾も増えてきています。
また、大手予備校で入会時に志望した大学を受験できた浪人生は5%以下、実際に第一志望の大学に合格した浪人生は数%というデータもあり、大手予備校で浪人して第一志望の大学に合格することは簡単なことではないことがわかります。
そのため、一人ひとりに学習内容を合わせ、毎日の学習をしっかりと管理する武田塾さんや当塾のような自立学習の塾を選ぶ浪人生も増えてきています。
2023年浪人したら(まとめ)
以上のように、2023年は浪人をするのに大変覚悟のいる年になりそうです。
ただし、1年しっかりと受験勉強を自分自身で管理するという覚悟を持って望めば、第一志望大学合格も夢ではありません。
浪人を決めたみなさんにとっては、大変な決断となりますが、こういう時だからこそ早め早めに来年の大学受験に向けて動き出しておきましょう。
ちなみに、アイプラスでは、毎年2月から浪人を決めた高校3年生が学習を始めています!
大手予備校の浪人生の授業が始まるのは4月の半ばです。
それまでの時間は1年で見れば非常に大きな差になります。浪人を決めた人は予備校や塾に通ってからではなく、いますぐ来年に向けて受験勉強を再開しましょう!
また、下に関連記事も紹介していますので、ぜひご確認ください!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
- 浪人するかどうか迷っている
- 来年の大学受験や志望大学の対策に不安がある。
- 今年の大学受験の勉強の反省点を見つけて欲しい
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