このページでは、愛知県立大学に昨年度も合格者を出している経験をもとに、大学受験指導歴20年の大学受験の自立学習塾・予備校アイプラスのディレクターが、愛知県立大学の対策法を紹介していきます。
過去10年間の愛知県立大学の入試問題をもとにした、難易度・傾向と対策・目標点について解説していきます。
教学社出版の赤本に掲載されている、傾向や対策よりも一歩も二歩も踏み込んだ、各大問別の具体的な対策方法で、今すぐにでも始められる内容となっていますので、是非とも参考にしてください!
- 愛知県立大学の難易度は?
- 愛知県立大学の出題傾向は?
- 愛知県立大学の対策方法は?
- 愛知県立大学の目標点は?
目次
愛知県立大学の対策1:難易度

愛知県立大学は長久手・守山にキャンパスを持ち、外国語学部・日本文化学部・教育福祉学部・看護学部・情報科学部を設置しています。
特に、人気が高いのは看護学部と日本文化学部、ついで情報科学部となっています。
河合塾公表の前期日程における最新の難易度は以下の通りです。
学部 | 共通テストボーダー得点率 | 2次試験偏差値 |
外国語学部 | 63~66% | 52.5~55.0 |
日本文化学部 | 67% | 52.5~55.0 |
教育福祉学部 | 64~66% | 52.5 |
看護学部 | 62% | 52.5 |
情報科学部 | 63% | 50.0 |
このことから、2次試験の偏差値がそれほど高くないことから、センター試験の対策が非常に重要な鍵になって来ることがわかります。
これから紹介するように、2次試験は標準的な内容の完成度が問われる出題になっていますので、共通テストレベルまでの内容の完成度を高める学習方法が効果的です!
そのため、愛知県立大学の対策は、共通テスト後でも十分に間に合います!
愛知県立大学の対策2:出題の傾向

愛知県立大学の各教科の難易度は標準的なものが多くなっていますが、国語についてはやや難しいためしっかりと対策をする必要があります。
英語の出題の傾向
出題レベル:基本~標準
大問:3題(日本文化・教育福祉・看護学部は大問1~3 / 外国語学部は大問1~2と4)
- 大問1~2:長文読解(英文和訳や内容説明)
- 大問3A:和文英訳
- 大問3B:会話文中の空語補充(文法・語彙問題)
- 大問3C:中文の空語補充(語彙・熟語問題)
- 大問4A:長文の語彙の言い換え問題
- 大問4B:大問4Aの長文の内容一致問題
- 大問4C:100~150語の自由英作文
いずれの出題も難易度は高くなく、英文で出てくる語彙のレベルも高くはありません。
そのため、過去問に一度取り組んでみて、あまり得点できない場合は基礎事項の再確認が必要です。
国語の出題の傾向
出題レベル:標準~やや難
(外国語学部・看護学部)大問:1題[現代文] 試験時間:60分
(日本文化学部・教育福祉学部)大問:3題[現代文・古文・漢文] 試験時間:90分
日本文化学部・教育福祉学部の場合90分で全問解くのは時間的に厳しいため、漢文→古文または現代文の順に解くと現代文、古文の推敲に時間が割けます。
現代文の出題傾向
評論文が中心で、高い語彙力が必要となるため、高度な読解力が必要です。
丁寧に文章構造を理解して内容把握をする必要があります。
設問は漢字、該当箇所の抜き出し、内容説明の論述(40字~120字)のみです。
2019年には文学史が出題されましたが、ツルゲーネフやトルストイがロシアの作家ということが分かれば解答できたのでとても簡単な問題でした。
古文の出題傾向
愛知県立大学は源氏物語からの出題が非常に多いため、源氏物語のあらすじ、登場人物の性格、結末は必ず知っておきましょう。
また、古文単語、古文文法や敬語に関する知識だけでなく、古文常識についても身につけておく必要があります。
掛け言葉、縁語、枕詞などの和歌の知識も必要となります。
読解力が求められる難易度の高い文章となっており、人物の心情や因果関係を想像しながら読み進める力が必要となります。
設問は、文法、語意、口語訳や内容説明(80~100字)となっています。
漢文の出題傾向
愛知県立大学の漢文は現代文や古文と比較すると難易度は高くはありません。そのため、漢文での得点は非常に重要になります。
歴史や思想などの分野の、説話がよく出題されています。
基本知識をしっかりと身につけて、内容の主旨をとらえられるようにしましょう。
設問は、読み、訓点、人物指摘、書き下し文、口語訳と最後に内容説明の設問が1題だけとなっています。
数学の傾向
情報科学部のみ
出題レベル:基本~標準
大問:4題
- 「微分積分」「確率」は必出
- 「複素数」も頻出
- 「ベクトル」「数列」はいずれか一方が出題
- 融合問題の出題もある
難易度は標準的な問題が多く、小問による誘導もされています。
基礎が固まっている受験生であれば、全く手が出ないような問題は少ないと思われます。
ただ、「微分積分」の問題は毎年かなりの計算量と論述量が必要とされるので、計算スピード、正確な計算力・記述力が必要となります。
なお、大問1つにつき1枚の下書き用の紙が与えられるため、計算スペースは十分にあります。
愛知県立大学の対策3:オススメの参考書

愛知県立大学の入試の出題は標準的なものが多く、解答できる問題を確実に得点することが必要となります。
ただし、日本文化学部・教育福祉学部については、国語の対策をしっかり行っておくことが重要になります。
英語の対策とオススメ参考書
大問1~3の対策
共通問題2題は、英文和訳や内容説明など、国公立大の最も標準的な問題が出題されています。
そのため、対策としては、「国公立標準問題集CanPass英語」と過去問で十分です。
ただし、上記の参考書や過去問であまり得点できない場合は、基礎力不足の可能性が高いです。
単語・熟語・文法・英文読解、英文和訳、和文英訳のどの部分が弱いかを早期に把握して、分野別に対策をしていきましょう。
そういった学習をしないまま「国公立標準問題集CanPass英語」と過去問を進めても効果は上がりません。
次に、和文英訳の対策としては、大問4の対策でご紹介する「英作文トレーニングドリルTransform」もオススメです。この参考書の第1部を活用すると効果的です。
また過去問を解く上で注意してもらいたいのが、赤本に英文の全訳がついていないということです。
大問4(外国語学部のみ)の対策
外国語学部のみが解答する大問4の英作文問題は内容は標準的ですが、自分の言いたいことをより簡単な英文で書くためのトレーニングが必要となります。
指定の語数も100~150語程度なので、それほど多くはありません。
英作文の対策に最適なのが、「英作文トレーニングドリルTransform」です。
こちらの参考書は、「はじめて英作文を書く人」のために問題集となっており、日本文を英訳する上で、どうやったらわかりやすい英文になるのか「変換する」力を身につけられます。
上記の問題集の内容をしっかりと身につけることができたら、過去問や自由英作文の問題集に取り組むと良いでしょう。
愛知県立大学の国語の対策とオススメ参考書
現代文の対策
愛知県立大学の現代文の出題は評論が中心であるため、評論文の対策を徹底的に行う必要があります。
今まで感覚で現代文を解いていた人の中には、愛知県立大学の現代文には苦労する人もいるかと思います。
漢字については、大学受験用の漢字問題集をやっておけば大抵の問題は解答できます。
また、現代文用語集を一通り暗記することが重要です。抜き出し問題については対義語、類義語を問われることもあるため、そのような設問への対応と読解力を高めるのに役立ちます。
現代文の用語集でオススメなものは、「現代文キーワード読解」です。
こちらの用語集には、用語だけでなくそれを用いた様々な分野の文章とその要約が記載されていますので、次にご紹介する要約の力を確かめるのにも役立ちます。
内容説明の論述においては、
- 問題を解く前に出典のタイトルを必ず確認してテーマを把握する
- 文章の構造(具体と抽象、対比、否定・比較など)を理解して、正しく要約しながら文章を読んでいく
ことが必要となります。
こちらの対策にオススメの参考書は、「無敵の現代文記述攻略メソッド」です。こちらの参考書では、素早く正確な読解に欠かせない要約力を身につけることができます。
上記の学習が完了したら、「国公立標準問題集CanPass現代文」や過去問に取り組みましょう。
出典はカテゴリは言語、社会、美術や文学など多岐にわたるため、さまざまな分野の評論文に触れておくようにしましょう。
古文の対策
設問は、文法、語意、口語訳や内容説明(80~100字)となっています。
まずは古文単語、古文文法や敬語に関する知識、古文常識や和歌の知識(掛け言葉、縁語、枕詞など)について再度確認をしっかりとしてから対策を始めましょう。
まずは、古文単語については、高校で使用しているものが300~400語程度のもので十分です。
ただし、古文常識については、「速読古文常識」を利用して、古文の世界の背景知識を身につけておきましょう。
やや難易度の高い文章が扱われるため、しっかりと記述式の対策ができるものを使用して学習しましょう。
オススメの参考書は、「国公立標準問題集CanPass古典」です。
上記を学習したあとは、過去問に取り組みましょう。なかなか得点しづらいかもしれませんが、その場合は現代文と漢文で点数を稼ぐことを重視しましょう。
漢文の対策
愛知県立大学の漢文は現代文や古文と比較すると得点しやすくなっています。ここで得点を稼げるように句法と重要漢字の読み方と意味については再度確認して暗記し直しましょう。
また予備知識として、古事成語や中国史の魏晋南北朝時代あたりまでの知識を持っておくと、有利な場合があります。特に春秋戦国時代の思想家の主張は覚えておくと良いでしょう。
オススメの参考書は、先ほども紹介した「国公立標準問題集CanPass古典」です。
上記の参考書を終えたあとは、標準レベルの漢文の問題集や過去問に取り組みましょう。
愛知県立大学の数学の対策とオススメ参考書
大問1つに2~4問の小問があり、誘導的に求められる場合が多く、全体的に標準的な問題で構成されています。
愛知県立大学の情報科学部の前期数学における合格者の平均得点率は50%程度です。
そのため、無理に全問解き切ろうというプレッシャーを感じる必要はありません。
1問完答して25%を確保し、残りの3問は小問をこなして30%取れれば十分といった気持ちで望むのがおすすめです。
仮に2問完答できればかなり合格が近づきます。
試験が開始したら1問目から順番に解くのではなく、全問題に1度目を通し自分が1番解けそうな問題から取り組むと良いでしょう。
標準的な出題であるため、基礎問題・典型問題を確実に完答できる力をつけておきましょう。
そのために必要なのは、典型的な解法パターンを多く身につくよう繰り返し学習することです。
このような対策のために最適なのが、「松田の数学I・A/II・B典型問題Type100」と「松田の数学III 典型問題Type60」です。
また、愛知県立大学の数学は複数分野の融合問題の出題もあるため、基礎的な参考書に加え受験用の問題集もこなせると良いでしょう。
このような対策に最適な参考書は、「国公立標準問題集CanPass数学I・A・II・B」と「国公立標準問題集CanPass数学III」です。
これらの問題集には目標時間30分の問題が多く掲載されているので、本番感覚で時間にも意識すると良いです。また、この問題集を活用して記述を意識した解答を作成していきましょう。
論述量の多い記述試験ですので、普段の学習から論理的な記述答案を作成することを心がけましょう。
最後に、情報科学部の配点は、大学入学共通テストの配点(1000点)が、二次試験の配点(500点)の倍になっています。
以上のことから、二次試験対策だけでなく、早い時期からの共通テスト対策を心がけるようにしましょう。
愛知県立大学の対策4:目標点数について

愛知県立大学は、合格者の最低点を公開していないため、目安とするのは合格者の平均点となります。
2020年度入試の愛知県立大学の合格者の入試科目別の平均点は以下の通りとなりますので、こちらの得点率を目標にして過去問の演習を行っていきましょう!
学部 | 学科 | 入試科目 | 配点 | 合格平均点 | 得点率 |
---|---|---|---|---|---|
外国語 | 英米 | 国語(現代文) | 150 | 96.9 | 64.6% |
外国語 | 英米 | 外国語 | 200 | 151.2 | 75.6% |
外国語 | ヨーロッパ-フランス語圏 | 国語(現代文) | 150 | 84.1 | 56.1% |
外国語 | ヨーロッパ-フランス語圏 | 外国語 | 200 | 149.8 | 74.9% |
外国語 | ヨーロッパ-スペイン語圏 | 国語(現代文) | 150 | 84.0 | 56.0% |
外国語 | ヨーロッパ-スペイン語圏 | 外国語 | 200 | 147.1 | 73.6% |
外国語 | ヨーロッパ-ドイツ語圏 | 国語(現代文) | 150 | 95.2 | 63.5% |
外国語 | ヨーロッパ-ドイツ語圏 | 外国語 | 200 | 133.3 | 66.7% |
外国語 | 中国 | 国語(現代文) | 150 | 96.3 | 64.2% |
外国語 | 中国 | 外国語 | 200 | 134.9 | 67.5% |
外国語 | 国際関係 | 国語(現代文) | 150 | 82.2 | 54.8% |
外国語 | 国際関係 | 外国語 | 200 | 151.7 | 75.9% |
日本文化 | 国語国文 | 国語 | 300 | 144.2 | 48.1% |
日本文化 | 国語国文 | 外国語 | 200 | 150.6 | 75.3% |
日本文化 | 歴史文化 | 国語 | 200 | 91.0 | 45.5% |
日本文化 | 歴史文化 | 外国語 | 200 | 140.1 | 70.1% |
教育福祉 | 教育-小学校教育 | 国語 | 200 | 92.7 | 46.4% |
教育福祉 | 教育-小学校教育 | 外国語 | 200 | 141.4 | 70.7% |
教育福祉 | 教育-保育幼児教育 | 国語 | 200 | 105.6 | 52.8% |
教育福祉 | 教育-保育幼児教育 | 外国語 | 200 | 153.8 | 76.9% |
教育福祉 | 社会福祉 | 国語 | 200 | 82.4 | 41.2% |
教育福祉 | 社会福祉 | 外国語 | 200 | 146.8 | 73.4% |
看護 | 看護 | 国語(現代文) | 200 | 110.1 | 55.1% |
看護 | 看護 | 外国語 | 200 | 133.2 | 66.6% |
情報科学 | 情報科学 | 数学 | 500 | 244.5 | 48.9% |
愛知県立大学の対策まとめ
以上が、愛知県立大学の対策となります。
愛知県立大学は、共通テスト後の対策で十分間に合う標準的な出題の多い大学です。
基本事項の復習から始めて今回ご紹介した参考書と過去問に取り組めば、十分に合格を実現することが可能です。
最後の最後まで諦めずに取り組んでもらえたら嬉しいです!