大学入学共通テストに関する現在までの情報の中で受験生に与える影響度が高いものをピックアップ
2020年度よりセンター試験に代わるテストとして検討が進められている「大学入学共通テスト」の情報について、2018年7月現在までに公表されている情報をまとめました。
こちらの情報は、初めて大学入学共通テストを受けることになる、
2019年度高校2年生に与える影響度でまとめています。
こちらの情報をもとに、早期に対策を取ることで、安心して大学受験を迎えてもらえたら嬉しいです。
全ての科目で出題内容が変わる(影響度:大)
英語の外部試験の併用や、国語(現代文)や数学において記述式が導入されるということばかりが注目を集めていますが、
全ての科目で出題内容が変わるということが受験生に与える影響として最も大きいものになります。
シンプルに言えば、「過去問はそれほど役に立たない」
ということです。
現行のセンター試験のように「知識・技能」をみるテストから、「知識・技能」だけでなく、
「思考力・判断力・表現力」を一層重視する内容に変わります。
つまり、
「知識・技能」を使う能力が求められることになります。
そうなると受験生は、
「知識・技能」を身につけた上で、それを使えるようにしていかなくてはいけません。
これは、今までのような、「教えてもらう」ことばかりの学習では不可能です。
自ら考えて、教えてもらった知識について正確に深く理解していく、
日頃から自立学習をすること(アクティブラーニング)が必要になってきます。
また、解答方式はマークシート式でも、今までになかった、
「当てはまる選択肢を全て選択する」問題や
「解なし」という選択肢がある問題
なども出題されています。
こういった出題も知識に対する正しい理解がないと正答することは難しくなるでしょう。
英語は外部試験だけではない(影響度:大)
英語については英検などの外部試験についてばかりが話題に上がりますが、
大学入学共通テストから、英語がなくなる訳ではありません。
「英検」「GTEC」など7事業者の8種類の英語の外部試験は、
2023年度までは大学入学共通テストと併用されます。
2024年度からは外部試験に全面移行の予定です。
目次
英語の外部試験について
英語の外部試験の利用方法は、
- 大学の個別試験の出願資格とする
(国立大学協会の例としては「A2(英検準2級相当)以上) - 外部試験の6段階評価を点数化して、大学入学共通テストに加点
- 上記1と2の両方
(出願資格を満たした場合に、大学入学共通テストに加点)
ちなみに、大学入学共通テストに加点される割合は、
英語の大学入学共通テストとの合計点数の2割以上というのも例示されました。
と国立大学協会は例を出していますが、各大学で利用方法が変わってきます。
大学入学共通テストの英語について
大学入学共通テストの英語では、センター試験と同様に、
リスニングと筆記の問題が出題されます。
センター試験から変わる点は
- 筆記は小問34問(センター試験より12問削減)
- リーディングの問題に特化
- 発音やアクセントや語句の並べ替え問題はなし
- 問題文もすべて英語になる
- 問題文が長くなる(センター試験よりも30%近く単語数が増加)
- 問題文は実生活の応用力をみるもの(WEB・グラフ・新聞など)
- リスニングは音声が1回しか流れない問題も出題
といったものが見られました。
こちらについても、今までと同じような英語の学習方法では、十分に対策できません。
より長い英文となるため、
可能であれば英文そのままで内容を理解していくことと、知識だけでなく、
英語のウェブサイトや新聞・広告などを読む機会を増やして、応用力を高めておく必要があります。
数学・国語で記述式が導入される(影響度:大)
数学・国語では記述式が導入されることが決定していますが、記述式問題の扱いが異なります。
大学入学共通テストの数学
- 記述式は数学Iおよび数学I・Aで小問で3問出題
- 数学Iおよび数学I・Aの試験時間は10分長くなり70分になる
(数学IIおよび数学II・Bは60分のまま) - 記述式とマーク式の合算で採点
となっています。
大学入学共通テストの国語
- 記述式は現代文で大問1題追加で小問で3問出題
(大問がセンター試験よりも1題増えて5題になる) - 国語の試験時間は20分長くなり100分になる
- 記述式はマーク式とは別で採点
(記述式は5段階評価で、マーク式に2割程度加点)
となっています。
※国語の記述式の加点については国立大学協会の例
数学と国語についての記述式のより詳しい内容は以下の記事で紹介しています。
数学「【2020年度大学入試改革】大学入学共通テスト対策できてる?数学編」
国語「【2020年度大学入試改革】新テスト対策できてる?国語・現代文編」
2020年度の大学入学共通テストは早期対策したものが勝つ
今回は、大学入学共通テストを初めて受ける2018年度の高校1年生の受験対策として、早めに知っておいたほうが良い、影響度の大きいものをまとめました。
また、新テスト実施において、浪人生用の問題は作成しないことが公表されましたので、
2018年度の高校2年生が大学受験をする際には、浪人を避ける傾向がかなり高まります。
そういった点からすると、2018年度の高校1年生のみなさんが大学入学共通テストを受験する際には、浪人生が例年よりもずっと少なくなる可能性もあります。
今回の内容は、今後変更もあるかもしれませんが、おおよそは以上のような内容になります。
中身がわかってきている以上、すでに対策を初めている高校1年生も少なくありません。
今回の情報をもとに、大学入学共通テストに向けて、今できることから早期に対策を初めてもらえたらと思います!
重要なのは、「教えてもらう」ばかりの学習から、自立学習(アクティブラーニング)に意識的に変えていくことです!