このページでは、大学受験指導歴20年の大学受験の自立学習塾・予備校アイプラスのディレクターが、名城大学に毎年合格者を出している実績と、2020年度入試の結果、河合塾の2021年度入試に向けての予想偏差値をもとにして、各学部別に徹底分析を行いました。
なお、2021年度入試難易度(偏差値)については、河合塾の入試難易予想ランキング表をもとにしています。
データを見ただけでは漠然としかわからなかった、志望の学部の合格難易度を知利、合格戦略を立てる上で、大変役に立つ内容になっていますので、是非ご覧ください!
目次
名城大学の偏差値への2020年度の入試動向の影響
まずは、名城大学の2020年度入試の志願者数と合格者数を見てみます。
以下の図は、名城大学の一般入試の志願者数と合格者数の前年比をまとめた一覧になっています。
2020年度の名城大学の入試においては、人間学部と法学部以外の文系学部と農学部で志願者が前年よりも減ったにもかかわらず、合格者数が大幅に増えているのが特徴的です。
2020年1月10日に世間を騒がせた名城大学のニュースの影響を原因として挙げる人もいるかも知れませんが、その影響ではないと考えられます。
なぜなら、1月10日に出願締切であった文系学部のA方式の志願者数が主に減少しており、1月31日が出願締切であったB方式の志願者数は大半が前年よりも伸びているからです。
ただし、合格者数を大幅に増やしており、上記の影響で入学辞退の数が増えると想定したと考えられます。
以上のことから、名城大学の2020年度入試は、前年よりも合格しやすかったと考えておくべきです。
この傾向が、2021年度入試で継続するかは未知数ですが、この結果や合格者の成績データをもとにした、2021年度入試難易度予想ランキングが公表されています。(河合塾の入試難易予想ランキング表)
それでは、各学部の偏差値変化について確認していきましょう!
志望の学部が決まっている人は、ここまで読んだら、目次から志望の学部を選択して読むことをお勧めします!
名城大学の各学部の偏差値と倍率の変動
外国語学部
外国語学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
国際英語A方式 | 52.5 | 52.5 | 5.1 | 5.2 | 7.4 |
国際英語B方式 | 55.0 | 55.0 | 2.7 | 3.8 | 3.9 |
外国語学部は、志願者数は減ったものの、合格者数については変動がなく、倍率もほとんど変動はありませんでした。
そのため、2021年度入試の予想偏差値についても変動はありません。
法学部
法学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
法A方式 | 50.0 | 50.0 | 3.3 | 3.6 | 3.2 |
法B方式 | 50.0 | 45.0 | 1.8 | 2.0 | 6.7 |
法学部は、一見倍率が下がったため易化したように見えますが、志願者数が前年比の124%となっており、特にB方式の志願者数においては、前年比230%と人気が高まっています。
名城大学の全学部の中で、人間学部に次いで2番目に志願者数前年比が高かった学部です。
それでも、倍率が下がっているのは、B方式の合格者数が前年比251%になっているためです。
以上のことから、倍率には現れてはいませんが、法学部は人気が高まったということがわかります。そのため、B方式の難易度(偏差値)が上がると予想されています。
そのため、2021年度入試では、「倍率が低そうだから、B方式で受験をしよう」と考えるとかえって厳しくなってしまう可能性がありますので要注意です!
経済学部
経済学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
経済A方式 | 50.0 | 50.0 | 5.1 | 4.6 | 4.3 |
経済B方式 | 52.5 | 52.5 | 2.6 | 6.6 | 2.7 |
産業社会A方式 | 50.0 | 50.0 | 3.5 | 3.1 | 3.4 |
産業社会B方式 | 47.5 | 47.5 | 1.4 | 2.6 | 16.3 |
経済学部については、全体的には、志願者数・合格者数ともに大きな変動はありませんでした。
しかし、産業社会のA方式の志願者数が前年比の68%と大幅に減少しています。それでも倍率が上昇しているのは、合格者数も前年比の60%となったためです。
また、経済・産業社会ともにB方式の倍率が下がっているのは、前年よりも合格者数が大幅に増えている影響です。
経営学部
経営学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
経営A方式 | 50.0 | 52.5 | 2.6 | 6.3 | 7.8 |
経営B方式 | 52.5 | 50.0 | 4.5 | 3.9 | 6.7 |
国際経営A方式 | 50.0 | 50.0 | 1.9 | 3.8 | 3.1 |
国際経営B方式 | 50.0 | 50.0 | 2.3 | 2.4 | 5.2 |
経営学部は、経営・国際経営ともにA方式の志願者数が大幅に減少し、経営学部全体での志願者数も前年比で77%と名城大学の2020年度入試で最も志願者数の減少の割合が大きかった学部です。
経営学部全体の合格者数は前年比で150%となっていましたが、それでも追い付かずに倍率の低下につながりました。
一方で、B方式については、前年比の志願者数が経営B方式で140%・国際経営B方式で150%となっており、予想難易度(偏差値)が上昇しています。合格者数も前年比でそれぞれ129%・175%と大きく増えている状況でのこの倍率なので、B方式は難化していると言えます。
ただし、A方式については易化しているといういびつな状況になっており、2021年度入試においては、入試方式の選択は慎重に行う必要があります。
人間学部
人間学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
人間A方式 | 50.0 | 50.0 | 3.1 | 3.2 | 3.9 |
人間B方式 | 52.5 | 52.5 | 4.2 | 3.4 | 11.1 |
人間学部については、文系学部の中で、最も志願者数の前年比が高かった学部で、132%となっています。
合格者数も前年比128%でとなっているため、予想難易度(偏差値)の変動はなくても、志望している人は難化する可能性も考慮して油断しないようにしましょう。
都市情報学部
都市情報学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
都市情報A方式 | 50.0 | 50.0 | 3.0 | 5.2 | 6.2 |
都市情報B方式 | 52.5 | 52.5 | 2.2 | 7.7 | 3.8 |
都市情報学部は、志願者数は前年比の84%と、経営学部に次いで志願者数の減少の割合が大きかった学部ですが、合格者数は前年比で172%と合格者数増加の割合が最も大きくなりました。
予想難易度(偏差値)の変動はありませんでしたが、2020年度の倍率が低くなった要因には、合格者数の増加したためで、2021年度入試においても同様の合格者数を出すとは限らないため、倍率の低さだけにつられて出願することは避けましょう!
理工学部
理工学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
数学A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.3 | 2.1 | 2.4 |
数学M方式 | 50.0 | 50.0 | 1.9 | 2.3 | 2.7 |
数学B方式 | 52.5 | 50.0 | 3.0 | 2.0 | 4.3 |
情報工A方式 | 55.0 | 55.0 | 2.9 | 4.8 | 5.0 |
情報工M方式 | 52.5 | 52.5 | 3.3 | 4.6 | 4.5 |
情報工B方式 | 57.5 | 57.5 | 7.6 | 6.4 | 5.4 |
電気電子工A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.8 | 2.7 | 3.1 |
電気電子工M方式 | 50.0 | 50.0 | 4.2 | 4.4 | 3.1 |
電気電子工B方式 | 52.5 | 52.5 | 5.8 | 3.6 | 5.1 |
材料機能工A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.1 | 2.3 | 3.1 |
材料機能工M方式 | 50.0 | 52.5 | 2.4 | 2.2 | 2.9 |
材料機能工B方式 | 52.5 | 50.0 | 7.5 | 3.3 | 1.8 |
理工学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
応用化学A方式 | 52.5 | 52.5 | 2.6 | 2.4 | 2.7 |
応用化学M方式 | 52.5 | 52.5 | 4.4 | 2.6 | 2.8 |
応用化学B方式 | 55.0 | 55.0 | 7.2 | 2.9 | 2.9 |
機械工A方式 | 52.5 | 52.5 | 2.3 | 3.2 | 2.9 |
機械工M方式 | 52.5 | 52.5 | 3.6 | 3.6 | 3.2 |
機械工B方式 | 55.0 | 55.0 | 5.6 | 5.4 | 4.1 |
交通機械工A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.7 | 3.9 | 3.7 |
交通機械工M方式 | 47.5 | 47.5 | 3.1 | 2.5 | 3.4 |
交通機械工B方式 | 50.0 | 50.0 | 3.8 | 1.7 | 4.6 |
メカトロ工A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.7 | 3.7 | 3.0 |
メカトロ工M方式 | 50.0 | 47.5 | 5.0 | 4.2 | 3.8 |
メカトロ工B方式 | 50.0 | 55.0 | 3.9 | 8.7 | 7.9 |
理工学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
社会基盤デ工A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.6 | 3.5 | 3.0 |
社会基盤デ工M方式 | 47.5 | 47.5 | 2.6 | 3.6 | 2.5 |
社会基盤デ工B方式 | 50.0 | 50.0 | 3.9 | 8.5 | 2.9 |
環境創造工A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.7 | 3.3 | 4.4 |
環境創造工M方式 | 50.0 | 50.0 | 3.1 | 4.2 | 6.4 |
環境創造工B方式 | 50.0 | 52.5 | 2.5 | 9.0 | 9.5 |
建築A方式 | 52.5 | 52.5 | 3.5 | 4.2 | 4.8 |
建築M方式 | 52.5 | 52.5 | 3.9 | 5.0 | 3.0 |
建築B方式 | 52.5 | 52.5 | 10.2 | 10.2 | 3.0 |
理工学部のメインのA方式入試で倍率が上昇したのは数学科のみとなります。
これは、数学科は2020年度入試で志願者数が前年比の110%となりましたが、合格者数は前年比97%と合格者数の絞り込みが見られたためです。
そのため、2020年度入試については、前年度よりも数学科は合格しづらかったということになります。以上のことから、数学科を志望している2021年度受験生は、より高得点を取れるように対策をしておく必要があります。
理工学部で予想難易度(偏差値)が下降したのは、材料機能工M方式とメカトロニクス工B方式と環境創造工B方式です。
材料機能工M方式については、志願者数が前年比で58%となった影響で、
メカトロニクス工B方式については、志願者数はほとんど変化はありませんでしたが、合格者数が前年の倍以上となった影響、
環境創造工B方式については、志願者数が前年比で79%となった上に合格者数が前年の3倍になった影響です。
しかし、2021年度入試における志願者数・合格者数については未知数であるため、安易に材料機能工M方式とメカトロニクス工B方式や環境創造工B方式が合格しやすくなっていると考えるのは非常に危険です。
やはり、非常に人気の高い名城大学の理工学部である以上、いずれの科においても高い学力が要求されると考えておきましょう!
なお、名城大学理工学部の対策については、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひご確認ください!
農学部
農学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
生物資源A方式 | 50.0 | 52.5 | 1.7 | 3.3 | 2.4 |
生物資源B方式 | 52.5 | 55.0 | 5.3 | 3.4 | 3.7 |
応用生物化学A方式 | 55.0 | 55.0 | 1.8 | 3.7 | 3.9 |
応用生物化学B方式 | 57.5 | 57.5 | 7.1 | 7.2 | 8.6 |
生物環境科学A方式 | 50.0 | 50.0 | 2.3 | 3.3 | 3.1 |
生物環境科学B方式 | 52.5 | 52.5 | 3.0 | 4.7 | 5.5 |
農学部では、生物資源学科がA方式・B方式ともに予想難易度(偏差値)が下降しています。これは、一般選抜のメインであるA方式の志願者数が前年比の81%と大幅に減ったのに対して、合格者数が前年比で154%となっている影響です。またB方式では数学を必要としないため、A方式の難易度の下降にしたがって同じく下降したと考えられます。
農学部については、すべての学科で、A方式の志願者数が前年よりも減少し、B方式の志願者数が増加しています。
B方式では、受験科目として数学が不要となり、理科が必須で、英語か国語の選択となることも、B方式の人気が高い原因とはなっていますが、過去3年間の状況を見てみてもA方式での受験が絶対的に有利と言えますので、農学部を志望している受験生は、A方式での合格を目指して学習を進めてもらいたいです。
薬学部
薬学部 | 2021年度 偏差値 | 2020年度 偏差値 | 2020年度 倍率 | 2019年度 倍率 | 2018年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
薬A方式 | 52.5 | 52.5 | 2.1 | 2.1 | 2.3 |
薬B方式 | 52.5 | 52.5 | 6.3 | 6.1 | 8.7 |
薬学部については、予想難易度(偏差値)の変動はありません。
志願者数は前年比で104%・合格者数は前年比103%と安定しています。
薬学部についても、農学部と同様に受験科目の違いがありますが、A方式での受験が絶対的に有利です。
薬学部を志望している受験生は、A方式での合格を目指して学習を進めましょう!
名城大学の偏差値と倍率から見た合格戦略まとめ
名城大学は、経営学部・都市情報学部においては、志願者数の減少の割合が大きくなっていますが、人間学部・法学部においては、大きく志願者数が増えており、また、理系の学部においては人気の高さが安定しています。
予想難易度(偏差値)について上昇したのが、法学部法学科B方式・経営学部経営学科B方式・理工学部数学科のすべての入試方式となっています。
法B方式・経営B方式については、いずれも志願者数の大幅増によるもの、数学科については合格者数の絞り込みによるものです。
法学部・経営学部(経営学科・国際経営学科ともに)のB方式は他の大学との併願者が増えている影響のため、併願を考えている場合は、入試日程だけでなく、確実に合格できる力があるかの見極めが重要になります。
理工学部数学科については、人気の高まりがみられるため、より高い得点力を身につけておく必要があると考えましょう。
一方で、予想難易度(偏差値)が下降しているのは、文系で、産業社会A方式・経営A方式・国際経営A方式、理系では、材料機能工M方式・メカトロニクス工B方式・生物資源A方式・生物資源B方式となっており、いずれも志願者数の減少による影響です。
産業社会A方式・経営A方式・国際経営A方式は易化していると考えられますが、材料機能工M方式・メカトロニクス工B方式・生物資源A方式・生物資源B方式については、易化したとは考えない方が無難です。
以上のように、名城大学を志望している受験生の皆さんは、偏差値や倍率だけを見て判断してしまいがちですが、大学入試はそんなに単純ではありません。
しかし、合格するかしないかは単純で、入試で合格ラインを超えて得点できるかできないかだけです。
名城大学の入試問題は決して難しくはありません!
そのため、しっかりと対策をしていけば、確実に合格できるだけの力は付けられますので、頑張っていきましょう!